Saturday 16 August 2014

誰もいない他人の家

誰もいない他人の家にひとりでねむる
わたしが所有していないものにかこまれ安心してねむる
それは恋人のようなものなのだろうと想像する

誰もいない他人の家にわたしの好きな人がきて
となりあっていっしょに安心してねむる
それは永遠のようなものだろうと想像する

誰もいない他人の家にわたしとわたしの好きな人がねむっていると
またちがうわたしの好きな人がやってきてわたしたちをおこす
そしてコンビニにいこうというので、ビールでも買うかとおもう
それは約束になる

誰もいない他人の家の庭でわたしたちがぐだぐだ話しながらビールを飲んでいると
その家の住人がインドからかえってきてつかれたからしばらくねるという
やさしい気持ちになるのでしずかにする

誰もいない他人の家でついにおなかのすいてきたわたしたちは
何かを作ろうかと思案するけれど、この家の住人はねているので
この家のどの食べ物を使っていいのかわからない
どうしたものかと思ってるうちに、ちがう家の住人が帰ってきて
おなかすいた?ときいてきた
そうしてここは港になった

港でバーベキューをする事になったので
わたしはひとりで駅前に買い物にいく
あじの干物、ししとう、トウモロコシ、豚肉、と選んだところで
ここのスーパーよりもう一つ向こうの大きい駅前の激安スーパーのほうが
お肉をいっぱい買うならやすいんだよな、と思い出す
行くか行かないかまよって、行かずにかわりに安かったツブガイを買った
港にもどると塩焼きそばが作られていて、セブンのフランクフルトがならべてあり、
ひともいつのまにかずいぶんと増えている
これはきっと家のようなものなのだろうと想像しながら
七輪を準備している人の横で食材を並べる

次の日おきると、他人の家でわたしは目を覚ました
誰もいない他人の家にわたしをのこし鍵をかけずに外に出て
駅にむかいながら
これはきっと死のようなものだろう、と想像した


(かさねがき、のためしがき20140716)

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